MSTCは、ロボット、ファクトリー・オートメーション(FA)及びその他製造科学技術に関する基盤技術の研究開発並びに国際共同研究の推進等を図ることにより、ロボット、FA及びその他製造科学技術の発展並びに国際的なロボット、FA技術及びその他製造科学技術のフロンティアの拡大に貢献し、ひいては我が国及び国際経済社会の発展に寄与することを目的に活動を行っています。
2023年の国内経済は、企業収益は高水準で推移し、業況感は緩やかに改善した。設備投資は徐々に増加、雇用・所得環境も改善し、個人消費は緩やかなペースで着実に増加した。2024年は経済活動の正常化が一服し、インバウンド消費の回復持続や好調な企業業績の下で省力化・効率化などの設備投資の増加に支えられ、景気回復は続くが、その基調は弱いとの見込みである。この様な状況下において、我が国の付加価値創造の源泉の大きな部分を担う製造業に対する期待は引き続き大きいものがある。
近年、新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻など、事前の予測が困難な事象が相次いで発生している。このような大きな環境変化のなか、経済産業省「2023年版ものづくり白書」では、製造業にとって脱炭素とサプライチェーン強靭化の取組みに加え、企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)を発揮するためにもDXが必要であり、重要なツールであるとされている。
これらの諸課題に対応すべく、当財団の事業には、政府資金等を財源とする委託調査研究事業、民間資金及び当財団自主活動による調査研究関連事業、並びに民間資金を中心とした標準化関連事業の3領域がある。なお、標準化に関しては製造に関するデジタルデータの流通・活用や、製造ラインにおける省エネ・効率化のためのデジタル検証、ロボット言語やエンドエフェクタインターフェースの標準化を推進するほか、当財団はスマートマニュファクチャリングを含めて、産業オートメーションに関するISO/TC184の国内審議団体としての活動を担っている。
2024年度は、各領域での事業を継続・発展させ、各事業連携により成果の拡大・普及を図り、引き続きロボット、ファクトリー・オートメーション等における製造科学技術の調査研究や標準化活動に取組む。また、昨年度に続いて、事業活動の成果を外部資金の獲得に繋げることができたが、同様に賛助会員等の協力を得ながら「ものづくり」に関連する課題の発掘とプロジェクト化を推進し、財団活動の活性化に努める。