■概要
近年、リバース・エンジニアリングの新手法として大型X線CT装置を使用した大型製品・部品の3次元CADデータの構築技術が急速に進展している。自動車まるごと、大型タービンエンジンのコア等を分解せずに直接CTで撮影することにより、内部構造を可視化しCADデータに変換する技術を調査対象とする。
積層造形(AM)で作られた製品の内部を産業用の中型X線CT装置を使用して検証する手法に広がりが見られ、航空宇宙防衛分野等ではAMで製造しX線CTで検査・品質保証を行う手法が普及する可能性があることから、機微技術を含む製品の設計・製造に関する情報が流出しやすい状況にもつながっているため、現状と動向の把握が必要である。
■ゴール
AM関連製造業における産業用X線CT技術活用の動向とリバース・エンジニアリングのインパクトを明らかにし、国内製造業向けの課題整理と対応の方向のとりまとめ。
これにより、技術流出の懸念への対応、CT利用の判断基準・注意事項等の方向を提示。
国内において共用施設として設備整備を行う可能性のとりまとめ。
■2020年成果
1)関係業界の専門家から構成された「産業用Ⅹ線CTを活用したリバース・エンジニアリング委員会」による調査の実施及び識者講演会を4回開催。
2)国内外の技術動向調査によりAM関連製造業における産業用Ⅹ線CT技術活用の動向とリバース・エンジニアリングへのインパクトを整理した。
3)国内における大型X線CTを含む拠点整備の試案をまとめた。
4)ケーススタディによって、AM部品のⅩ線CT検査技術やリバース・エンジニアリング技術に関する基礎データを得た。
産業用X線CTを活用したリバース・エンジニアリング 2020年度成果.pdf